写真でみるリーバイス501レギュラー(10)2002年フィリピン製(CONE XX17-1st JEAN CONSEPT)

2021-04-29

さて、今回の「501」もなかなかにクセのあるブツです。
皆さん全く興味がないであろうと推測されるフィリピン製の「501」。
2002年頃から、リーバイスジャパンで販売するJPライン「501」は、ほぼフィリピン製にとって代わりました。
2003年末をもって完結する米国内のリーバイス自社工場の閉鎖のためです。
米国製「501」がフィリンピン製「501」となった時の「501」ファンの失望感はどれほどのものだったでしょう。
品質うんぬんの問題ではありません。
ジーンズといえば、リーバイス。リーバイスといえばアメリカ合衆国。
リーバイスとは、日本人憧れのアメリカ合衆国の象徴のうちの一つです(でした。)。
1970年代以前にお生まれの貴方ならお分かりになるでしょう。
さて、そんな既にガッカリ感のあるフィリピン製「501」の全体像を見てみましょう。

フィリンピン製501フィリンピン製501

どう思われます?
なかなかになかなかじゃないですか?
シルエットは、それまでの米国最終モデルのそれを踏襲しています。
2003年から展開の「03501」はやや太めなストレートになりましたが、こちらの「00501」は細身のままです。
「00501」、「03501」のどちらもリーバイスジャパン企画の「501」で、日本ではこれ以降、本国の米国リーバイスが企画する「501®」とは全く異なる「501®」が販売されることになってしまいます。

フィリンピン製501

フィリンピン製501

気づきましたか?
デニムの生地感が米国最終モデルとは全く異なっています。
貴方が愛してやまない縦落ちが見られるのです。
フィリンピン製501

この「501-01」に使われているデニムは、コーンミルズ社製デニムXX17だそうです。

XX17デニムは、コーンミルズの資料室で発見された、1917年当時の糸の作り方・織り方を最新の技術で忠実に再現したスペシャルデニムです。(*当時のものは、力織機で狭幅赤耳付きでしたが、XX17デニムでは、これを最新の革新織機で広幅の耳なしで対応しています。)XX17デニムを構成する経糸には、4つの異なる太さの糸をMIXして当時のムラ感を再現し、緯糸に関してもコーンミルズの持つ特殊なムラ糸、アムスラーリングスパンを使用しています。XX17デニム自体の重さも今日にある14ozではなく、9ozからスタートしたリーバイスの歴史とリンクするように、未洗いの段階で11.75oz、洗い後13ozのやや軽めのデニムになっています。軽くて非常に穿きやすく、穿きこむごとに味のでるXX17デニムはコーンミルズとリーバイスの歴史と伝統が1つに凝縮された、スペシャルデニムです。

フィリンピン製501

紙パッチも米国最終モデルと同じもののようです。
もちろん、「made in U.S.A.」の文字は抜かれています。
「501」表記の最後のパッチでしょうか。その後「501®」に変更されます。

フィリンピン製501フィリンピン製501フィリンピン製501
赤タブのロゴが若干小さくなったような気がしないでもないです。
その後はさらに小さくなります。
フィリンピン製501フィリンピン製501

アウトシーム、インシーム、裾部分も米国最終モデルと同じ。
オリジナルレングスと思われます。

フィリンピン製501フィリンピン製501
工場番号は「359」のフィリピンなんですが、この刻印デザイン‼
すぐに普通のデザインの横並び「359」に変更になったようです。

フィリンピン製501フィリンピン製501

内タグも米国最終モデルと同じ。(この後、表面の日本語の注意書きが長いものに変更されます。)
型番:501-01(00501-01)
工場番号:359(フィリピン内の工場)
製造時期:0402=2002年4月

このフィリピン製「00501-01」の初期モデルも、タマ数は少ないと思われますので、魅力を感じた方は探してみてはいかがでしょうか?
もちろん、貴方のご想像どおり、お値段はとてもリーズナブルな「501」ですよ。

80年代~90年代のリーバイス社(Levi Strauss & Co.)の工場番号&所在地一覧


 

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Posted by shiba-ken