80年代~90年代米国製リーバイス501レギュラーの年代判別方法


80年代~90年代米国製リーバイス501レギュラーの年代判別方法

0.はじめに

1980年から米国工場閉鎖の2003年までにリーバイストラウス社が製造した米国製501(セルビッジを持たないレギュラーモデル)を判別する方法を記しておきます。
とりあえず下記1から3の順番に絞り込んでいけば、2003年までにつくられた米国製501だけをピックアップできます。(実質2002年までの米国製)
さらに細かく年代を特定したいときは、4に進んで細部を検討してみましょう。
ただし、年代の境界については、あまり厳密に考えない方が良いと思います。
日本より遥かに広い米国で、しかも1980年代に、仕様変更のお達しが各工場に行き渡り徹底されるには時間がかかります。
いくつかの501に見られる”年代をまたいだ仕様”は、「いつ」という時間軸の要因だけでなく、「どこで」つくられたのかという場所的要因に由来するものかもしれません。
オールドリーバイスが語られるとき、「いつ」は意識されても、「どこで」については忘れられがちです。
デニムは、インディゴに染められた経糸と白い緯糸との綾織りで成り立っています。
オールドリーバイスは、我々を時間旅行へと誘って(いざなって)くれますが、「いつ」という経糸と「どこで」という緯糸とが織り重なるとき、その時間旅行は地理的な拡がりを持ったより壮大なスケールのものとなるはずです。
工場番号の一覧はこちら☞ 80年代~90年代のリーバイス社(Levi Strauss & Co.)の工場番号一覧
レギュラー501の一覧はこちら☞ Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION


1.パッチのLOT番号「501」に®がついていないこと

パッチに「501®と表記されているものは、全て、全部、くまなく、All却下。(例外
パッチがない?→4に進んで内タグを確認しましょう。1980年代から2003年(実質2002年)までのレギュラー501は内タグを確認するのが一番です!
内タグもない?→パッチも内タグもない501は購入をおすすめしません。それでもと言うなら、5に進んで各パーツを見て悩みましょう。(裾のステッチは裾上げしているかもしれないので、あまり重要視しないでね。)

2.パッチに「made in USA」表記があること

パッチに赤く「made in USA」とプリントされていないものを、全て却下。
(間違えやすい例 ⇒ 写真でみるリーバイス501レギュラー⑽-2002年フィリピン製(CONE XX17-1st JEAN CONSEPT)

3.セルビッジデニム(赤耳仕様)でないこと

レギュラー501に、セルビッジデニムを使用したモデルはありません。
(個人的には、「赤耳」と呼ばれる80年代初期の501はレギュラー501に含まれると考えていますが…。)
※1~3の手順だけで、2003年~現在に至る約20年分の501と、LVC501を切り捨てることができます。

4.内タグで製造年月を確認

1980年代から2003年(実質2002年)までのレギュラー501は内タグを確認するのが一番です!

※トップボタン裏の刻印について
80~90年代の米国製501には3桁の数字が刻印されており、内タグの工場番号と一致します。ただし、この刻印は結構見ずらいので注意しましょう。もともとハッキリしない刻印も多く、薄暗い店内、老眼、近眼では簡単に読めません。ボタン裏の刻印確認は、最後の〆またはコース料理のデザートのような扱いで、順番としては最後に確認すれば充分と思います。内タグの工場番号と同一の番号をトップボタン裏に刻印した偽物501も存在します。内タグとボタン裏の番号が一緒だからといって油断はできません

トップボタン裏の刻印=工場番号のリストは ☞ リーバイス社(Levi Strauss & Co.)の工場番号&所在地一覧(ボタン裏刻印一覧)

5.レギュラー501各年代別パーツの比較表

(※今さらながら(2023年4月)、リーバイスの代名詞である「赤タブ」の仕様を載せていないことに気づきました。まあ、載せなくても大して問題ないでしょう。気が向いたら、今後追加します。表がゴチャゴチャして見にくいんだよね…)
★1980年頃から2003年米国自社工場閉鎖までのLevi’s501を、下記の3つのモデルに大きく区分しています。

☆下記の区分は、紙パッチの仕様の変化に基づいて区分けしています。なぜなら、それが一番分かりやすいからです。内股のステッチが、裾のステッチが、バックポケットの位置が、シルエットがなんちゃらと細かい仕様の変化を言い始めたらキリがありません。まずは大きく3つの分類で仕分けして、次に下記の表のとおり細部を検討してみましょう。

●「80」(ハチマル)80年頃~87年頃

 ・紙パッチのCare~文字が黒スタンプ(このサイトでは「赤耳」もこの区分です。)

・「80」→「84」と細分化できます。「80」は内股シングル・裾チェーン・初期内タグ、「84」は内股ダブル・裾シングル・正方形内タグ仕様。

●「87」(ハチナナ)88年頃~93年頃

 ・紙パッチのCare~文字が赤字で印刷かつ501の文字が赤字かつロゴタグ(87赤文字と記述することが多い。)

・「87黒文字」→「87赤文字前期」→「87赤文字後期」と細分化できます。「87黒文字」は501が黒細字、「87赤文字前期」は501が赤細字、「87赤文字後期」は501が赤太字。

●「93」(キューサン)94年頃~03年(実質02年)

 ・紙パッチのCare~文字が赤字で印刷かつ501の文字が黒太字かつ刺繍タグ(93米国最終と記述することが多い。)

1980年から2002年までの「501」60本以上掲載 ☞ Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTIO


★バータックとはバックポケットのカンヌキ。★インシームとは内股

モデル

(年代)

パッチ内タグボタンリベットバータックインシームステッチトップボタン右の平行ステッチ裾ステッチ
80

ハチマ

80

(81-)

CARE文字はスタンプ
LOT番号は黒スタンプ
ティアオフタグあり
例1(クロカン81)例2(クロカン83)
例3(84)例4(82赤耳初期)例5(85赤耳後期)例6(83 赤耳前期)

鉄製鉄製銅メッキ裏アルミ表から黒・紺


表からオレンジ

シングルオレンジチェーン


シングル

84

ハチヨン

(84-)


CARE文字はスタンプ
LOT番号は黒スタンプ

ティアオフタグなし
例1例2

鉄製鉄製銅メッキ裏アルミ表からオレンジシングル


ダブル

チェーン


シングル

87

ハチナナ

87黒文字(88-)


※CARE文字は赤プリント※LOT番号は黒スタンプ※501は黒細字※ティアオフタグなし
例1例2
 

 

鉄製


ナイロンフット

鉄製銅メッキ・裏アルミ表からオレンジダブルシングル
87赤文字前期(88-)
「xx」入りはリジッド=stf=生デニム


CARE文字は赤プリント
LOT番号は赤中太字印刷

ティアオフタグなし
例1(赤文字初期1)例2(赤文字初期2)例3(赤文字初期3)

ロゴタグ

ナイロンフット


鉄製

鉄製銅メッキ裏アルミ表からオレンジダブルシングル
87赤文字後期

(91-)

「xx」入りはリジッド=stf=生デニム


CARE文字は赤プリント
WPL423 R
LOT番号は赤太字印刷

ティアオフタグなし
例1(赤文字後期1)例2(赤文字後期2)

ロゴタグ赤

ロゴタグ白黒

鉄製銅・裏刻印なし表からオレンジダブルシングル
93

キューサン

(94-02)

93-94年のみ?赤文字のパッチ(PXR145/ティアオフタグあり)に黒文字501印刷。例1

 

 

 

 


「xx」入りはリジッド=stf=生デニム 例1

 

 

 

 

 

CARE文字は赤プリント
LOT番号は黒太字印刷
ティアオフタグあり
例1例2例3例4例5

93-94年のみ?「刺繍タグ」USライン。 ロゴ下®️の位置、アイコンの縁が米国最終モデルと微妙に違う。(120°F=xx・105°F=プレシュランク)例1 偽物例
93-94年のみ?銀ストライプは左側 例1   偽物例

「刺繍タグ」USライン①
「刺繍タグ」USライン➁
「刺繍タグ」USライン③


「刺繍タグ」JPライン初期

「刺繍タグ」JPライン後期
↑↓ 銀ストライプは右側

米国製レギュラー最後の内タグ 2002年5月頃~

 

鉄製JPラインは非鉄製裏刻印あり表からオレンジダブル


オレンジ

シングル

※この表に掲載している各仕様は100%の出現率ではありません。例外も多々存在します。


1980年から2002年までの「501」を網羅  Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION

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Posted by shiba-ken