写真でみるリーバイス501レギュラー(43)-ふと思い出す笹塚・福寿の上五目中華そば-87年マッカレン工場製「501‐0000」
京王線と並行して走る甲州街道を笹塚駅前から北へと渡る。
首都高4号線の陰が伸びる薄暗い8車線には冬の風。
スーパー「サミット」横の駐車場に行くために足を左に向ける。
右には、正月の活気に溢れる観音通り商店街の入り口。
商店街を北へと下りた先に「福寿」はあった。
2022年4月に70年の歴史ある”暖簾”を下ろした老舗中華そば店。
良く言えばノスタルジック悪く言えばボロい店の外観、傾いたカウンター。
油分なしの薄甘い黒い汁、もさもさの縮れ麺。
独特なキャラクターの店主。
ロット番号「501-0000」
工場番号「544」米国テキサス州マッカレン工場
1987年11月製造
ここ何年か探すでもなく探していた2つの条件を持つ「501」を見つけた。
80年代中頃の「544」マッカレン工場製の「501」は一味違う。
第1条件:内タグが腰帯に縫い付けてある男性用「501」
80年代の「17501」、90年代の「6501」等の女性用リーバイスをこの工場では多く製造していたらしい。
そのためか「544」マッカレン工場では、内タグを腰帯に縫い付けていることが多い。
ただし、男性用の「501」は多くない。
第2条件:紙パッチのLOT番号とサイズ表記がかっちょいいフォントの「501」
この時期の「544」マッカレン工場でしか見られない「501」のフォント。
それが、こ・れ・だ。☟
このフォント、いいよね。
もう少し状態の良い紙パッチであれば良かったのだが、まあ贅沢は言えまい。
80ハチマルと87ハチナナの過渡期モデル。
それでは、この「501」の全体像と内タグの位置をご覧いただこう。
サイドのベルトループと紙パッチが背中側にずれていて、これも良き。
ところで、お気付きになられました?
上の最後の写真、巻縫いの下糸が黒色で、まるでトラ柄でございます。
そして、1987年の「501」と聞けば、もしかしてアレですか?
そう、すこぶる評判の悪かった樹脂素材のボタン、いわゆる「ナイロンフットボタン」。
ハイ、ご想像どおりのナイロンフットボタンでございます。
いやいや待ってよ、トップボタンとフライボタンの全部が、なんとブラックボタン!
リベット裏は普通のアルミの外周溝あり。
インシームはシングルステッチ、アウトシームの脇割のロック糸は白色。
シングルステッチでの裾上げ済み。
どうです?良いでしょう、この「501」
時折訪ねては食した笹塚の福寿の中華そば。
注文するのは常に「上五目中華そば」。
若干冷めた中華そばを彩ったのは、固くて薄いチャーシュー6枚、ただのゆでたまご、ナルト、細っそいメンマ、くたくたのもやしとほうれん草、かまぼこ、一瞬正体不明の黒い物体・煮シイタケ。
何てことない80年代「501」を彩るのは、見目麗しい501フォントの紙パッチ、ナイロンフットボタン、トラ柄の下糸、後ろズレの紙パッチとサイドベルトループ、腰帯の内タグ、正体不明の黒ボタン。
1987年544マッカレン工場製のこの個体は、まるで「501」界の「上五目」やぁ~。
※このサイトでは、1980年頃から2003年米国自社工場閉鎖までの米国製Levi’s501を、下記の3つのモデルに大きく分類しています。
「80」(ハチマル)80年頃~87年頃 紙パッチのCare~文字が黒スタンプ(このサイトでは「赤耳」もこの区分です。)
「87」(ハチナナ)88年頃~93年頃 紙パッチの501の文字が赤字且つロゴタグ(87赤文字と記述することが多い。)
「93」(キューサン)94年頃~03年 紙パッチの501の文字が黒太字且つ刺繍タグ(93米国最終と記述することが多い。)
Discussion
New Comments
No comments yet. Be the first one!