リーバイス501とコーン・ミルズ【2】赤耳と青耳と片耳
このブログでは、リーバイスの工場番号や、80年代から90年代の「501」について多くの紙面(画面?)を割いてきました。
リーバイス「501」を語るとき、コーン・ミルズに言及しないのは、やはりどこか不十分な感じがつきまといます。
100年近く続いたコーン・ミルズとリーバイスとの蜜月関係にまつわる豆知識~特に「501」に関して~を紹介していきます。
リーバイス501とコーン・ミルズ 全3記事
【2】赤耳と青耳と片耳
第1回 リーバイス501とコーン・ミルズ【1】XXデニムと染色とドレイパーX
第2回の今回は、みなさんが愛してやまない「セルビッジ」(赤耳)のお話しです。
セルビッジデニムは旧式のシャトル織機から生み出されます。
1985年頃までの「501」の赤耳付デニムは、コーン・ミルズ社ホワイトオーク工場に備え付けられたドレイパー社の「ドレイパーE」もしくは「ドレイパーX-2」という29インチ幅のシャトル織機から生み出されました。(第1回の記事参照。)
なお、前記事同様「INVENTORY」(VOLUME04 NUMBER08 SPRING-SUMMER 2013)の Paul Trynka氏の「CONE MILLS: THE HOME OF AMERICAN DENIM 」記事、同氏のBlog「loom state」から多くの引用を頂いておりますので、ここに感謝申し上げます。
赤耳部分の経糸は12本
シャトル織機ではで縦に張られたインディゴで染められた経糸(たていと)の間に、シャトルで運ばれる白い緯糸(よこいと)を通していきます。
シャトルは向こう側の端に着くと、折り返してスタート地点の端へと戻ります。
シャトルが往復することにより、生地の端には糸の解れが発生しません。
革新シャトルレス織機では、シャトルの代わりに圧縮した空気(エアジェット)により緯糸を飛ばします。
エアジェットで飛ばされた緯糸は、向こう側に行ったきりで戻ってきませんので、生地の端でトリミングされます。
生地の端で糸がトリミングされているため、解れ防止にロック処理が必要となります。
シャトル織機の構造や、どうしてセルビッジが付くのかは、ネットという広い大海に沢山の情報が漂流していますので、各自で自習してください。
リーバイス用の「XX」デニムのセルビッジ部分(赤耳でいう白い部分)には白い経糸が12本というのが「公式」のお決まり事だったとのことです。
当初は白い経糸12本で、その内の1本を赤い糸にしたのがリーバイス用の「赤耳」ということらしい。
青耳
ワタクシは直接お目にかかったことはございませんが、リーバイスでも稀に「青耳」の「501」が存在するようです。
全くもってワタクシの妄想ですが、上記のとおり「XX」デニムの端の経糸には「白糸」に「赤糸」を挟み込むのが「公式」のお決まりです。
この経糸をセットするのも機械ではなく人力のため、インディゴに染められた本体生地の経糸を間違って「赤糸」部分にセットしてしまったという単なるヒューマンエラーが「青耳」の存在理由なのではないでしょうか。
片耳
こちらもワタクシは実物を見たことはございませんが、70年代の「505」には「片耳」仕様のモノ(例えば☞hands-on裏ブログ)が稀にあるようです。
「501」では見かけないようなので、この片耳仕様のデニムは「ドレイパーX3」によって生産されたモノと思われます。
「ドレイパーX3」は42インチの幅広デニムを生産できるシャトル織機だったので、42インチ幅のデニムを縦半分にカットして使用したものと思われます。
その「ドレイパーX3」は、後に1992年から登場したいわゆる110周年記念60年代復刻「501XX」や、1996年登場の復刻「55-501XX」のデニムを生産した「改変ドレイパーX3」と同一織機の可能性もあるとすれば、なんだかロマンティックではありませんか。
なお、2000年製造の「93米国最終501」にも「片耳」仕様の個体があります。
このブログでも過去に紹介しております。☞ 写真でみるリーバイス501レギュラー(45)-多様性の時代に超絶レアな片耳付きの米国最終501(2000年553工場製)
この生地は謎ですよね。
CAREタグを見るとクリフサイド工場製のデニムなので、同工場にもまだ「ドレイパーX3」が残っていたということでしょうか?
片耳ということは、ホワイトオーク工場のそれとは違い、改変前の42インチ幅のオリジナル「ドレイパーX3」が?
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本記事は、この辺で終わりです。
次回 ☞ リーバイス501とコーン・ミルズ【3】「XXX」デニムと生地番号の謎とバレンシア復刻
