リーバイス501とコーン・ミルズ【3】「XXX」デニムと生地番号の謎とバレンシア復刻

2025-12-30

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第1回 リーバイス501とコーン・ミルズ【1】XXデニムと染色とドレイパーX

第2回 リーバイス501とコーン・ミルズ【2】赤耳と青耳と片耳

今回は、「501-0117」「501-0000」等の「501」に続く4桁の生地番号・色番号のうち、特に生地番号のお話しです。

実は、この生地番号の記事を書きたいが為に第1回と第2回の記事をやっつけ仕事(オイッ!)で仕上げたのです。

「0117」

1967年、リーバイス社は旧来のLOT番号を廃止して新たなプロダクトコード(新LOTと呼ぶ。)を導入します。

この辺の話しの詳細は過去記事をお読みください。 ☞ 1960年代後半のリーバイス・ビッグE「ダブルネーム」とは?

「501XX」は新LOT「501-0117」に、「551ZX」は新LOT「505-0217」のように変更されて、下4ケタの番号が追加されました。

下4桁のうち、上2桁が生地番号で、下2桁が色番号を表します。

「501-0117」の「0117」は、「01」は「XX」の生デニム、「17」はダークインディゴ色です。

「505-0217」の「0217」は、「02」はプレシュランク(プリシュランク)のサンフォライズドデニム、「17」はダークインディゴ色といった具合です。

「501-0117」という新ロットは、1970年代を通じて使用されました。

ただ、紙パッチやCareタグ上では下4桁を省略した「501」のみの表記でした。

「501」には、STF(シュリンク・トゥ・フィット)の一種類しかなかったからでしょう。

「XXX」と「0000」と「0115」

1980年頃からリーバイスは、アウトシームにセルビッジ(赤耳)を持たない革新織機によるデニムを使った「501」を販売し始めます。

この革新織機はスルザー社のプロジェクタイル織機で、コーン・ミルズ社製のこのセルビッジなしの「501」用デニムは、「XXX(トリプルエックス)」デニムと呼ばれています。

1983年頃までにはコーン・ミルズ社はドレイパーX2による「XX(ダブルエックス)」デニムの生産を終了し、以後「501」は全て「XXX」デニムを使用することになります。

1983年から1984年頃に「501-0115」という「501」が登場します。

「501-0115」は、「XXX」デニムを使用した「501」初のプレシュランク仕様です。

「505」のプレシュランクはサンフォライズド仕様ですが、「501」は洗いによって縮ませたワンウオッシュ仕様です。

よって、このプレシュランク「501」の生地番号は、「02」ではなく、「01」としたのでしょう。(ワンウオッシュにより色が落ちた明るいインディゴ色番号が「15」。)

しかし、それでは今までの生デニムの生地番号「01」が被ってしまうので、生デニムの生地番号は「00」に、無加工のインディゴ色の色番号も「00」と変更され、501STFは「501-0000」にしたとワタクシはみています。

「5900」登場と紙パッチの「xx」表記

1989年頃になると、「5900」という極端に大きな数字を使った謎の生地番号の「501」が登場します。

「501-5900」を調べていくと、ほとんどの個体に通常のCareタグの他に「リーバイス・ストラウス ジャパンK.K.」の日本語のCareタグも付属していることがわかります。

また、英文の方のCareタグに記載されるデニム供給メーカーのアルファベットは「CS」(コーン・ミルズ社クリフサイド工場)です。

以上から、「501-5900」はコーン・ミルズ社のクリフサイド工場製のデニムを使用した、日本向けの「501」だったと言えそうです。

以前にこの記事の中で、White Oak Legacy Foundation(ホワイトオークレガシー財団)のSNS投稿を紹介しました。

Cliffside is a town in North Carolina in Rutherford County. Also, the name of the plant that made most of the wide 501 fabric for Levi Strauss & Co. in the 1980’s. In 1995, Cone Denim (owner of Cliffside Mills) shipped more than 35 million yards (over 1,000 containers) just to Levi Europe. Most of that went to the port of Antwerp, Belgium.(クリフサイドはノースカロライナ州ラザフォード郡の町である。また、1980年代にリーバイ・ストラウス社向けに501幅広生地の大半を生産した工場の名称でもある。1995年、コーン・デニム(クリフサイド・ミルズの所有者)はリーバイス・ヨーロッパだけで3,500万ヤード以上(1,000コンテナ超)を出荷した。その大半はベルギーのアントワープ港へ輸送された。)

この記事では特に日本に触れられてはいませんが、クリフサイド工場では輸出向けの「XXX」デニムを生産していたということです。

同時期のUS企画の米国向けのSTF「501」は、「501-0000」のLOTが与えられています。

この時期、「0000」デニムはホワイトオーク工場で、「5900」デニムはクリフサイド工場でのみ生産されたと仮定しましょう。

両者の生地番号が違うということは、両者には何らかの相違点があるはずです。

「5900」デニムは、今までの「0000」デニムとは(ワタクシの感覚では)風合いが明らかに異なります。

「5900」の方が青色が鮮やかで、フワフワとした毛羽立ちと質量的に軽い生地が特徴的です。

織機の違いではなく、「糸」の違いだと個人的には感じます。

紡績だけなのか染料も違うのかは、今のところは解答は出せません。

また、その工場によるデニムの差異は、誰か(例えばリーバイスジャパン)のオーダーによるものなのか否かもわかりません。

今のところ言えることは、「5900」と「0000」は違うデニムだということだけです。

この頃、「5900」デニムの登場とともに紙パッチのLOT表記が変わります。

紙パッチのLOT番号に生地・色番号(「0000」、「0115」)が省略され、「501」は赤い文字となります。

そして、生デニムのSTF「501」には小文字の「xx」が追加され、「501xx」となります。

紙パッチ上の生地・色番号(「0000」、「0115」)が省略されたことにより外見上のSTFとプレシュランクの差異がわかりにくくなったための措置だったのだろうと推測されます。

「5900」生地番号の謎とバレンシア復刻

ところで、なぜ「5900」という番号なのかという疑問が沸き上がります。

「00」「01」から「59」というあまりにもかけ離れた数字を採用した理由は何だったのでしょうか。

ここからは(今までもですが)、ほぼワタクシの妄想に近い想像による記述ですので、ある種の空想・おとぎ話としてお読みくださいませ。

以下、「501-5900」を「89-501」と呼びます。

過去に、ワタクシは2007年製のJP企画のフィリピン製「501」(03-501)を紹介しました。

☞ 写真でみるリーバイス501レギュラー(88)-マニアは”縦”が好き?‐2007年フィリピン製「03-501」

この「03-501」に使用されたデニムは、コーン・ミルズ社製「XXX7」デニム。

1933年製501XXの特濃色ピュアインディゴをイメージして作り上げたコーン・ミルズ社製「XXX7」デニムを使った「501」。

デニムを構成する経糸には4つの異なる太さの糸をMIXして当時のムラ感を再現し、偉糸もアムスラーリングスパンを使用。

デニム自体の重さも、未洗いの段階で11.75oz、洗い後13ozのやや軽めのデニム。

また、1997年製の[501-6182」、同年製の「501-6200」という「501」も紹介しました。

☞ 写真でみるリーバイス501レギュラー(32)501-6182/1997年501アルバカーキ工場製(オレンジ色の憎い奴)

☞ 写真でみるリーバイス501レギュラー(87)501はSTFシュリンクトゥフィット‐1997年501工場製「501xx」

2008年発売のフィリピン製「08-501」は、コーン・ミルズ社製「XXX9」デニム。

☞ Levi’s 501 (08501-0042 XXX9デニム使用モデル)

「08-501」は「XXX9」デニム(ホワイトオーク工場製)で、「XXX」第9世代

「03-501」は「XXX7」デニム(ホワイトオーク工場製)で、「XXX」第7世代

「97-501」は「XXX6」デニム?(ホワイトオーク、クリフサイド両方あり)で、「XXX」第6世代

「89-501」は「XXX5」デニム?(ほとんどクリフサイド工場製)で、「XXX」第5世代

なんとなくそれっぽい気がしてきませんか?

では、「XXX1」~「XXX4」はどこに?という疑問は当然出てきます。

1989年までのホワイトオーク工場製の「XXX」デニムなのかもしれませんし、リーバイスが大好きな「5」がそもそもスタートなのかもしれません。

1997年頃に「501-6200」というSTF「501」がJP企画で登場します。

一方のUS企画のSTF「501」は、2003年まで「501-0000」のままです。

「XXX1」~「XXX4」はともかく、「XXX5」~「XXX9」はJP企画のデニムだったのではないかと考えるとスッキリしませんか。

「5900」「6182」「6200」、では世代番号の次の数字「9」「1」「2」の意味するところは?

「5900」は1989年、「6182」は1991年、「6200」は1992年の開発年(紡績・染色のレシピをUPデートした年)を表わしているとか?

1992年といえば、日本で60年代「501XX」のBIG-E復刻版を発売した年です。

この復刻BIG-E「501XX」のためのセルビッジデニム復活の提案をしたのは、コーン・ミルズ社日本法人の日本人トップだったとのことです。

1997年製の「6182」「6200」、それ以降のJP企画のCareタグから生地・色番号が省略された「米国最終501」は、明らかに「5900」時代の生地とは違います。

また、US企画の「0000」とも明らかに異なります。

1996年には、BIG-E復刻版「501XX」(501-0001)の後継モデルである復刻「55-501」(501-0003)が発売されましたが、両者は同一のデニム(92年開発)を使用していると思われます。

ようやくここまでたどり着きました。

つまり、「501-6200」のスルザー社のプロジェクタイル織機により生産された第6世代の「XXX」デニムは、92年に開発されたBIG-E復刻版「501XX」と同じ糸(従って復刻「55-501」とも同じ糸)を用いてるのではないでしょうか?

BIG-E復刻版「501XX」バレンシア・復刻「55-501」バレンシアと、97年~02年のJP企画「93米国最終501」は、腹違いの(同じ糸を使う織機違いの)兄弟「501」ではないでしょうか?

信じるか信じないかは…。

そのうちに現物を比較します、たぶん…。

完)

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Posted by shiba-ken