写真でみるリーバイス501レギュラー(48)「Ⓡ」が付いた最初で最後の米国自社工場製501/2002年11月554工場製「US03-501」
先日、牡蠣を食した。
牡蠣はいい。
牡蠣が好きだ。
なかでも生牡蠣は特別だ。
海のない故郷をもつワタクシの原始の記憶を呼び覚ます。
牡蠣が旬だ。
ものごとには旬がある。
食べ物同様ひとの気持ちにも。
前々回が「93米国最終501xx」、前回「93米国最終501SW」と来れば、次は穿き古した「93米国最終WA」だろう。
けれど、ワタクシの気持ちがそこに向かない。
今回の「501」も「93米国最終501」。
以前に紹介した2002年5月553サンベニート工場製の「501」と同様、「MADE IN USA」表記が内タグの裏面に印字された「93米国最終501」のラストバージョンですね。
内タグ裏面に「554 1102」と印字されているとおり、2002年11月554サンアントニオ工場製の「501-0000」。
2002年11月ということは、米国内にはサンアントニオの554縫製及び614仕上げの2工場しか残っていない時代。
何か奇妙な心持ちがしませんか?
今まで見てきた「93米国最終501」と何かが違う?
少し太目のシルエットになっています。
レングス30インチぐらいに裾上げされているから?
いや、股上が明らかに浅く、多分パターンそのものが違う。
そして明らかに違うのがアーキュエイトステッチ。
ヴィンテージの「501」のそれのごとく大きく撓り、母なる海の底に深く食い込む二つの弓の結合部。
そしてその糸はレモンイエローではありませんか。
バックポケット自体も間口が広く先端の突起も鋭角です。
ベルトループとウォッチポケット上部にもレモンイエローのステッチが施されています。
ボタンやリベットは93と同じもののようです。
そしてインシーム(内また)がインターロックでシングルステッチ。
セルビッジはなく、脇割は橙色の糸でロックをかけられています。
スレキにプリントもないので、LVCやプレミアムラインではなくレギュラーの「501」だと思われます。
ただ、これを「93米国最終501」と呼ぶには無理がありそうです。
最後に紙パッチを確認してみましょう。
「501」ではなく「501Ⓡ」、そして次世代紙パッチ。
やはり、これは「93米国最終501」とは全く別物です。
仮称「US03‐501Ⓡ」とでもしておきましょう。
この個体は「501」に「Ⓡ」が付いた最初で最後の「米国製」と言えるのではないでしょうか。
生牡蠣には、イエローのレモンが似合う。
その果汁を絞ったら、唇を切らぬよう殻から直接口に流し込みたい。
嗚呼、牡蠣を食したい。
旬である「R」の付く月が過ぎ去ってしまう前に。
☞ Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION
※このサイトでは、1980年頃から2003年米国自社工場閉鎖までの米国製Levi’s501を、下記の3つのモデルに大きく分類しています。
「80」(ハチマル)80年頃~87年頃 紙パッチのCare~文字が黒スタンプ(このサイトでは「赤耳」もこの区分です。)
「87」(ハチナナ)88年頃~93年頃 紙パッチの501の文字が赤字且つロゴタグ(87赤文字と記述することが多い。)
「93」(キューサン)94年頃~03年 紙パッチの501の文字が黒太字且つ刺繍タグ(93米国最終と記述することが多い。)