写真でみるリーバイス501レギュラー(67)/謎の「S」刻印と不都合な真実/1990年511工場製87-501赤文字
まがいものかと思わせるトップボタン裏に刻まれた「S」。
1960年代のシデーリア工場のそれとは似ても似つかない「S」の字体。
事実、ワタクシはこのボタンの存在を認識していたけれど、フンっと無視を決めこんでいた。
今年(2025年)に入って、Instagramで”あめがら”(@amegara244)氏がこのボタンを持つ「505-4858」と「501-0115」を紹介しておりましてね。
むむむっ、これってホンモノなのか…ということで、なるべく安いのを見つけて購入してみました。
紙パッチの「Care~」文字は赤の印刷、「501xx」の文字は細い赤文字。
赤いロゴタグの裏側には、「511 090 … 501-0115」=1990年9月511(El Paso Kastrin)工場製の「501-0115」(ワンウオッシュのプレシュランク501)。
紙パッチには「501xx」なので「STF」(シュリンクトゥフィット)かと思いきや、「501-0115」…アイカワラズ イイカゲン ダナ リーバイス…。
前述の”あめがら”(@amegara244)氏 紹介の「501」「505」も同じ「511」工場の1990年製。
ナニカ アリソウ。
この時代の「赤文字87-501」ですから、ナイロンフットボタンが使用されています。
ボタン裏とリベット裏は、この個体でしか見たことのない形状と色。
それ以外は、見慣れた「赤文字87-501」との感想しかありません。
1980年代、米国政府は、北マリアナ諸島(米国自治領)を連邦最低賃金法および移民法の適用除外とすることに同意しました。
北マリアナ諸島には、数十の衣料品工場(Gap、Levi Strauss、Abercrombie & Fitch、Ralph Lauren、Tommy Hilfiger…)が開設され、数千人の外国人契約労働者(主に若い中国人女性)が低賃金で雇用されました。
この工場で製造された低価格衣料品には「Made in the USA」というラベルが貼られ、米国に出荷される際には米国の関税が免除されました。
1991年、リーバイス社は、同社の下請業者タン・ホールディングス社が北マリアナ諸島で運営する6つの子会社工場をめぐるスキャンダルに巻き込まれます。
これらの工場で働く中国人労働者は、米国労働省が「奴隷のような」と呼んだ労働条件で苦しんでいたことが明らかになったのです。
最低賃金を下回る賃金、週7日勤務、12時間シフト、劣悪な生活環境、その他の屈辱的な扱い(パスポートの剥奪や労働者の事実上の監禁を含む)を理由に告発されたタン社は、1992年、最終的に当時の米国労働史上最高額となる罰金を支払い、約1,200人の従業員に900万ドル以上の賠償金を分配しました。
当時、タン社の工場はリーバイス社のジーンズの3%を「Made in the USA」ラベル付きで生産していました。
リーバイス社はこれらの違反行為について一切知らなかったと主張し、タン社との関係を断ち切り、海外工場における労働改革と検査体制を導入しました。
これらの工場があったのが、北マリアナ諸島のサイパン島(Saipan)です。
今回紹介した「501」の謎の「S」刻印が、サイパン島(Saipan)の「S」と一致しているのも、1990年製造がこのスキャンダルの時代とぴったり符合するのも、単なる偶然でしょう。
Saipan製造ならば、「511」工場記載の内タグが縫付けられているのも、おかしな話しだしね。
ジーンズのパーツだけをSaipanで縫製して米国内に持ち込み、「511」工場で完成させて内タグを取り付けたなんて可能性もないわけではないけど。
何か情報をお持ちの方、ご連絡ください。
*詳しい年代判別方法は☞80年代~90年代米国製リーバイス501レギュラーの年代判別方法
*80年代-90年代リーバイス501レギュラー逸品館(Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION)


























