写真でみるリーバイス501レギュラー(40)‐メルカリと偽物とクセモノと‐1995年522工場製米国最終501

2024-10-20

【93米国最終モデル


メルカリがいい。(©ドンマイ川端

ここ半年ぐらいだろうか、リーバイスの商品説明欄にボタン裏番号の記載が多くなってきたのは。

転売で儲けるための自称その道のプロ指南の「ノウハウ」が、売る気満々、野心丸出しのページに見事に反映されている。

リーバイスそのものについての知識は、怪しい。間違った記述も多い。

ワタクシが欲しいのは商品の客観的な情報と写真のみだから、それでも構わない。

だが、偽物はダメだ。

少し前の記事「写真でみるリーバイス501レギュラー(39)ヴィンテージ501の定義は二つだけ?1980年サンノゼ工場製501」で、ヴィンテージ501の定義について、ワタクシは語った。

柴剣的「ヴィンテージ501」の定義は二つだけ

一つ:リーバイス501であること

二つ:製造から25年以上であること

「リーバイス501であること」とは、偽物ではない本物のリーバイス「501」であることを意味する。


相変わらずの前置きの長さに辟易としたところで、今回の「501」を見てみましょう。

いわゆる「1993‐501(米国最終)」。

”ツウ”には受けがよろしくない加工モノの「501」、ヒゲがお茶目です。

”ツウ”には受けがよろしくない裾上げもされております。

先日、ネット上で”素人が裾上げしやがって”という発言を目にしました。

このジーンズはワタクシが裾上げしたのではありませんが、謝っておきます。素人でスイマセン。

定番の紙パッチに、JPラインの初期刺繍内タグでございます。

電話番号もなく、注意書きも簡素ですね。

LOT5010000 1995年9月522エルパソ工場製です。

この「501」は、オレンジオーバーダイみたく重ね染めをしているようです。

裏地があきらかにグリーングレー?のような色になっています。

スレキには、ユーズドルックの記載。

確認のためにリーバイスブック19‐20を開いてみることにしましょう。

この「501」は、「UD(ユーズドダイ)」のようです。

”オーバーダイとシェービング加工によって長年はき込まれた時のカラーを実現”とあります。

まあ、そういうことですから、そういうものとしてご笑納くださいませ。

トップボタン裏の「552」を見て、二度見したアナタの感性はスバらしい。

内タグに記載されていた工場番号は「522」エルパソ、ボタン裏は「552」サンアンジェロ。

この「501」には矛盾が生じている。辻も褄も合わない。(501はパンツだから、褄は無いけれど。)

さて、どうしたものでしょう。

この「501」は、偽物なのでしょうか。

ネットで購入したときのことは思い出せませんが、内タグかボタン裏かどちらかの写真しか載せていなかったのでしょう。

この事実を知っていたら、購入を躊躇ったかもしれません。

しかし、ワタクシが一つ言えることは、この「501」は決して偽物ではなく、本物の「501」だということです。

ワタクシの目利きが100%正確かと言えば、言い切れませんが、リーバイス「501」の1993‐501モデルなのはほぼ間違いありません。

ただし、トップボタンが付け替えられているというのが、この「501」の真相です。(内タグの方が初めから付いていたもの。)

以下は、あくまでもワタクシの想像でしかありませんが、イイところを突いているのではないでしょうか。(自画自賛)

・「501」ユーザーであったA君は、新モデルになった1993‐501を八王子駅前のジーンズショップマルカワで購入した。

・店頭では、どの色にするか迷ったが、ツウっぽいユーズドダイというカラーに決めた。

・家について直ぐに穿いてみたが、トップボタンに重みがなく安っぽく感じるので、今まで穿いていた1987-501(赤文字)と比べてみた。

・1987‐501(赤文字)のトップボタンとは何かが違う。何だろう、材質かな?

・A君は、1987‐501(赤文字)のトップボタンは磁石に付くのに、1993‐501のそれは付かないことを発見してショックをうける。

・ユーズドダイ加工のヒゲすら、今になってみればダサく感じる。

・決めた!1987‐501(赤文字)のトップボタンと付け替えちゃえ!やっちゃえ、ボク!

・やっぱり、なんだかこの「501」穿く気が失せちゃったよ。

~以後、長いことA君宅のタンスの肥やしとなっておりましたが、昨今の古着ブームに便乗して市場に出回ることになったとさ。

(本件「501」のトップボタンの写真でわかるように、ボタン周りの糸がほつれていること、日本向けの1987‐501(赤文字)は、圧倒的に552サンアンジェロ製が多いということからの想像です。)


いわゆる偽物や、上記のようなクセモノに対しては、真贋を見極めるアプローチは異なっても、知識で武装するしか対抗手段はありません。

そして、多くの「501」を見て、できれば手にして、「501」を見る感性を磨くことです。

特にクセモノ「501」については、「レア物」などの宣伝文句をでっちあげられて騙されかねません。

赤タブがバックポケット両方に付いているとか、部分的なパーツの違いは、疑ってかかる方が良いかもしれません。

以前に紹介した写真でみるリーバイス501XX(復刻・1947モデル)最後の米国自社554工場製は、一時「X」上で偽物疑惑の話題で盛り上がりました。

その後、グローバルLVC発足前のLVCヨーロッパが企画した47‐501XXだったことが判明しました。

追記)※LVCグローバルライン時代のEU企画の復刻47-501XXのようです。1999年に発足したLVCは、当初はグローバルライン=EU企画と日本企画の二種類で展開していたが、2010年にオランダで新設されたリーバイスXX事業部により一本化されたらしい…。

ワタクシは、80‐90年代の「501」を専門?にしていますが、結局、それを知るためには、80年代までの「501」、00年代以降の「501」、そしてLVC501の知識が必須です。

いえ、「501」以外の品番のジーンズ、さらにはジャケット類まで知る必要性すらあるのです。

ただし、ネットや書物上に溢れるそれらの情報は、玉石混交なので注意が必要です。

専門家面した人達ですら、平気で30年も前の古い知識や間違った情報を垂れ流しています。(ワタクシも他山の石としますが。)

みなさん、動画や写真だけではダメですよ、文字を文章を読みましょう。

ワタクシのブログも読みましょう。(宣伝)


※のサイトでは、1980年頃から2003年米国自社工場閉鎖までの米国製Levi’s501を、下記の3つのモデルに大きく分類しています。
「80」(ハチマル)80年頃~87年頃 紙パッチのCare~文字が黒スタンプ(このサイトでは「赤耳」もこの区分です。)
「87」(ハチナナ)88年頃~93年頃 紙パッチの501の文字が赤字且つロゴタグ(87赤文字と記述することが多い。)
「93」(キューサン)94年頃~03年 紙パッチの501の文字が黒太字且つ刺繍タグ(93米国最終と記述することが多い。)

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Posted by shiba-ken