写真でみるリーバイス501レギュラー(1)1998年米国最終モデルJPライン553サンベニート工場
【93(キューサン)米国最終モデル】
※このサイトでは、1980年頃から2003年米国自社工場閉鎖までの米国製Levi’s501を、下記の3つのモデルに大きく分類しています。
「80」(ハチマル)80年頃~87年頃 紙パッチのCare~文字が黒スタンプ(このサイトでは「赤耳」もこの区分です。)
「87」(ハチナナ)88年頃~93年頃 紙パッチの501の文字が赤字且つロゴタグ(87赤文字と記述することが多い。)
「93」(キューサン)94年頃~03年 紙パッチの501の文字が黒太字且つ刺繍タグ(93米国最終と記述することが多い。)
80年代-90年代リーバイス501レギュラー逸品館(Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION)
リーバイス501のレギュラーとは、一般的には、1980年代初めに登場したアウトシームが脇割のモデル以降の501を指すようです。
1980年から米国の2003年自社工場閉鎖前までの2002年を1つの区切りとすると、501レギュラーは、1980年~1992年頃、1993年頃~2002年頃の二つに大別されます。
1980年~1992年のモデルは、とにかく年代・工場ごとに仕様も品質もバラバラで、良くも悪くも滅茶苦茶な時期です。そこがこの時代の面白さとも言えます。(当サイトでは、80ハチマル、87ハチナナと呼んでいます。)
1993年モデルは、USライン、EUラインでバラバラだった501の仕様を全世界で統一したモデルです(JPラインはUSラインと基本的に同じ)。各国で生産されたどの501を見ても、シルエットや仕様はほぼ統一されているので、そういう意味では面白くないとも言えますが、品質は向上しています。
なお、1993年モデルは、ティアオフ付きの紙パッチにLot番号が「501」もしくは「501xx」と太い黒字で表記されているので、わかりやすいです。(ただし、この紙パッチは、1993年前後の過渡期と2003年以降もしばらく使われているので注意が必要です。)なお、この時代及び赤文字時代の「501xx」のxxはリジッド(STF)のモデルを指します。いわゆるヴィンテージの501XX(ダブルエックス)とは違います。
今回見ていく501は、1993年モデル+米国製+JPライン+内タグの裏の左右が銀で縁取られているモデルです。
時期でいうと1995年~2001年製のリーバイストラウスジャパンが販売した501にあたります。なお、JPラインの1995年~2001年は米国製で、2002年~2003年はフィリピン製です。USラインは、1990年代後半からメキシコ製が増えていきます。
1993年モデルは、さらに1993年~1995年頃の前期、それ以降の後期と分けることができます。前期後期と言っても、違いは内タグだけと言ってもいいぐらいです。(80年代~90年代米国製リーバイス501レギュラーの年代判別方法)
2001年までの501レギュラーは、全体的に色落ち速度が速く、穿きこんでも縦落ちせずに霜降りのようなミゾレのような色落ちで、最終的にアイスブルーから色が抜けたような状態となります。ここが501のヴィンテージ好きから嫌われる理由です。
ただし、前にも書きましたが、JPラインの1998年頃~2001年の501(内タグにLot番号が501とだけ印字されていて、4ケタの子番号がついていないものなら確実と思われます。)に限っては色落ちが遅いという大きな特徴があります。またJPラインの2002年~2003年のフィリピン製501は縦落ちします。
前置きが長くなりましたが、全体のシルエット。
たぶんワンウオッシュのモデルだと思うけれど、古着なので詳細は不明です。
サイズはW30×L32で、裾上げはしていないようです。
80年代の501はかなり細目のものが多かったのですが、ほんの少し太目に戻りました。とてもバランスの良いシンプルなシルエットです。80年代・90年代の501のシルエットが個人的には一番好みです。
・紙パッチに黒の太字の501のロット番号
・リベットは銅色・鉄分なしのかぶせタイプ
・後ろポケットはシャープな印象
・アウトシームは脇割り、インシームはダブルステッチで片側が紺色の糸
・裾はシングルステッチ
・ベルトループももちろんあっさりとした仕様
・19951994年頃から採用された銀色の縦ストライプをあしらった内タグ
・1998年3月米国製の日本流通モデルです(80年代501を潰して、1993年モデルを初めて買ったとき、漢字で米国製?だっせーと思いましたが、今は結構好きです。)
・工場番号はJPラインお約束の553。(2021/5/27 「553」=「San Benito」(サンベニート・テキサス州)工場と判明しました。)
※80年代~90年代のリーバイスの米国工場一覧表
・トップボタンはJPラインは鉄分なしのため磁石に付きません。( USモデルとEUモデルは鉄分ありで磁石に吸い付きます)
・リベットの裏は銅色で刻印あり。
90年代に、大衆にダサい・オワコンと言われようが、売上が大幅に落ち込んで米国工場全閉鎖の事態に陥ろうが、この時代遅れで野暮ったく、色落ちのことなんか知るかという「501」を延々と作り続けてくれたおかげで、2021年現在もリーバイス「501」が存在しているのです。
大量生産時代の申し子とも言うべき501レギュラー。
多分、この先もヴィンテージと呼ばれることもない501レギュラー。
その分、古着での流通価格も低めなので、是非かわいがってあげてみてはいかがでしょうか。
☞Levi’s501-made in U.S.A.- 80~90s COLLECTION