リーバイス「J」「2」「558」刻印-サンノゼ工場

60年代リーバイスのジーンズのトップボタンの裏に刻まれたアルファベット #J 。

この #J は、~50年代は#12、70年代に#2、80‐90年代に#558と代わるアメリカ合衆国の サンノゼ(カリフォルニア州)/ San Jose(California州)工場です。

11F1555San Francisco  (CA) -Valencia street-  サンフランシスコ・ヴァレンシアストリート1906
12J2558San Jose (CA) サンノゼ1933
13Santa Cruz (CA) サンタクルーズ1944
14W4585Wichita Falls (TX) ウィチタフォールズ Great Western Garment Company 社(TX)を買収 *[カナダのGreat Western Garment Companyとは別会社]1946
15S5650Sedalia (MO) シデーリア J.A.Lamy  社(委託)1946
16E6524El Paso (TX) エルパソ *#16=The Top-Notch Manufacturing Co.(委託のちに買収)1947
Vallejo (CA) ヴァレーホ1949
17D7 Denison (TX) デニソン1949
18
K8532Knoxville (TN) -Cherry street-  ノックスビル・チェリ-ストリート1953
19?  581Warsaw (VA)  ウォーソー1953
20?L16653Baldwyn (MS) ボールドウィン Lucky Star 社(委託)
1958
 R? 513Blue Ridge (GA) ブルーリッジ1959
   Blackstone (VA) ブラックストーン1962
M?3536Maryville (TN) メアリーヴィル1962
V ? 575Valdosta (GA) ヴァルドスタ Oberman Manufacturing 社(買収)1963
   546Murphy (NC) マーフィー1963
A ?  Amarillo (TX) アマリロ1965
  552San Angelo (TX) サンアンジェロ1965
 -O52527Fayetteville(ARK)フェイエットビル Oberman Manufacturing 社(買収)1966

ご参考☞1950年代~1970年代のリーバイス社の工場番号(ボタン裏刻印)&所在地(妄想感強め)

サンノゼ工場は、1933年グレイハウンド・バスの車庫だった建物の2階を間借りして操業を開始しました。

115 Terine Street San Jose に1949年新しい工場を建設し、1984年10月に閉鎖されました。

(☞ UPI Archives June 19, 1984

サンノゼ工場開設のエピソードとしては、「LEVI STRAUSS & CO. : TAILORS TO THE WORLD」で、こんな記述を見ることができます。

…サンノゼは製造業に適した場所に思えました。ただし、当時サンノゼには缶詰工場があったが、缶詰工場は缶詰のシーズン中しか人を雇わず、その地域では女性のための通年雇用はほとんどありませんでした。そこで少し迷った後、私たちはサンノゼに進出し、通年雇用を提供しました。私たちの拠点はグレイハウンド・バス・ターミナルビルでした。そこはかなり狭く、非常に不便でしたが、サンノゼはとても良い場所だとわかりました。……サンノゼでは最初、当時グレイハウンド・バスの車庫だった建物の2階を借りました。この建物を引き継いだ時、機械を設置し、2階の作業場を稼働させなければならなかったことをよく覚えています。全員で昼食をとり、午後には一杯飲みながら工場の設置作業が始まりました。…後年、私たちは自社の倉庫(配送センター)を建設しました。その場所はグレイハウンド・バス・ターミナルからそれほど遠くありませんでした。…

ちなみに、その倉庫(配送センター)こそが、タイプ物の「S」の配送センターであり、550 Brokaw Road Plant. San Joseにありました。

ところで、#2の刻印のボタンは「レア」などという情報をネットや動画で見聞きすることがあります。

いわゆるジーンズマニアのいう「66-501」(1973年頃から1980年頃の501)に関しては、#6エルパソ工場製が多いために、#2が少ないのはそのとおりです。

しかしながら、ビッグEと言われる501(1967年頃から1973年頃)や、501以外のジーンズ等では#2は数多く存在します。

#558については、1980年前後から1984年までしか使用されていないため、絶対数が少ないとはいえるかもしれません。

写真でみるリーバイス501レギュラー(39)ヴィンテージ501の定義は二つだけ?1980年サンノゼ工場製501

写真でみるリーバイス501レギュラー(13)1983年初代レギュラー501・ブラックバータック(クロカン)モデル(558工場)

サンノゼ工場は、サンフランシスコ大地震後では、サンフランシスコ・バレンシアストリート工場(F・1・555)に次ぐ歴史ある工場でしたが、上述のとおり1984年に閉鎖され、2023年-2024年取り壊されました。なお、しばらくは駐車場でしたが、現在は閉鎖されているようです。

さらっとサンノゼ工場を紹介してきましたが、新たな情報を見つけたら随時加筆していきます。


余談ですが、上記のサンノゼ工場記述の前後に大変興味深い記述もあります。

…戦時中、特にジーンズ事業において、事業は好調に推移しました。軍需品の注文はそれほど多くありませんでした。覚えているのは2つのアイテムだけです。1つは海軍用のブルージーンズです。彼らは要求事項や梱包に非常に厳格で、検査官が私たちの上に立っていました。…それから、アラスカ軍のためにパーカーも作りました。…軍隊の少年たちは私たちの製品を気に入り、ジーンズが支給品で彼らには無料だったにもかかわらず、喜んでお金を払って買ってくれました。戦時中は価格が固定され、コストが上昇していたため、ナンバーXのオーバーオール(ツー・ホース・ブランドなど様々な名前で呼ばれていましたが、これは全てをリーバイスと呼ぶずっと前のことでした)は固定価格でした。戦時末期には、私たちはドルを売買していましたが、低価格で高品質な価値を提供したことで、売上は大幅に伸びました。ですから、最終的には、このことが私たちに利益をもたらしたのかもしれません。


 

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Posted by shiba-ken